フィラスはより良い仕事を得るべく、日本に住んでいる間に外国免許から日本免許への変更手続きを行いました。同じような境遇の人を探して情報を探すもあまりなく1から自分で調べることに。
警視庁の公式HPで必要書類などを確認するのは簡単でしたが、実際にどのような手続きや行程が行われるのかは漠然としていて心配ばかりしていました。なので、これからチュニジア人の免許切替申請を考えている方のために、外国免許の切替の手順とその際に気付いた注意点などをまとめてみました。
「最初から知っていれば・・・」「ああしておけば良かった・・・」など実際にフィラスが経験したことを聞き取り作成しましたので、模索中の方の参考になれば嬉しいです!
Contents
手続きをしに免許センターに出向く前に、まずは必要な書類を準備しておきましょう。ここで漏れがあるとあとで無駄な時間を割くことになりますので、抜かりなくきっちり用意しておきましょう!
ちなみに、申請用紙はネットからダウンロードすることはできず、免許センターでその場で書くか一旦持ち帰ってゆっくり書くかのいずれかになります。
特に免許センターや市役所は平日しか空いていないので注意が必要です。また、申請者の状況によっても調べなければならない事も変わってくると思いますので、フィラスの申請時の状況も記載しておきます。
<フィラスの申請時の状況はというと・・・> ・チュニジアで国際免許を取得済み(有効期限内) ・東京都在住のため鮫洲運転免許センターにて手続き予定 ・日本の住民票の登録あり、在留カード取得済み ・チュニジアで3ヶ月以上の運転歴あり ・過去に日本の運転免許を取得した経歴なし
- チュニジア運転免許証
- チュニジアの免許証の翻訳証明書
- パスパート
- 本籍(国籍)が記載された住民票の写し・在留カード
- 顔写真1枚
ここからは、以上の5点について詳しく説明していきます。
1.チュニジアの運転免許証
チュニジアの運転免許を持っていても、日本の免許に切り替えるには以下の2つの条件をクリアする必要があります。
・チュニジアの運転免許を取得後、チュニジアでの滞在期間が通算3ヶ月以上であること
まずこの条件に合致しない場合、もしくは証明することができない場合は切替ができませんので、あらかじめ申請可能か確認しておいてください。
失効した運転免許証を持っていても使えないのは、日本人も同じですよね。チュニジアでの滞在歴は今までの合計滞在期間が3ヶ月であれば良いので、滞在期間は細切れでも大丈夫です。
心配性&完璧主義な私は、コピーも用意した方が良いのでは?と迷った挙句、結局コピーは用意せず申請に向かいました。しかし嬉しいことに、私が申請した免許センターでは受付で担当の方が勝手にコピーを用意してくれました。心配な方や待ち時間を短縮したい方は、事前に用意しておいた方がスムーズかもしれません。
しかし、チュニジアはパスポート更新時に古いパスポートを回収するため、最近パスポートを更新したばかりの方はパスポートで運転経歴を証明することができません。そんな時は、チュニジアで免許の経歴証明書(dossier de conduite)を取得してチュニジアでの運転経歴を証明します。免許の経歴証明書は取り寄せるとかなり時間がかかるので、急いでいる場合はチュニジアに住んでいる家族などに代理申請をお願いしてスキャンしたデータをメールしてもらうようにすると良いですよ!
2.チュニジアの運転免許証の翻訳証明書
多言語を容易く操るチュニジア人や翻訳が得意なパートナーの方は、まずは「自分で翻訳できるし!」と考えるでしょう。できるのにお金払うの嫌ですもんね。
ですが、免許の切替申請にはJAF(日本自動車連盟)で翻訳された書類、もしくは在日チュニジア大使館で翻訳された書類のみが提出物として認められます。
在日チュニジア大使館に電話して聞いたところ、翻訳業務は行ってないそうですので、チュニジア人はJAFで翻訳してもらう方法一択のようです。
簡単にですが、費用や所要日数を記載しておきます。所要日数は時期や翻訳言語によって異なるので、出向く前に一旦上記リンクボタンからご確認ください。
発行料金 | 1通につき3000円(返金不可) |
所要日数 | 窓口受付:翌日〜3日程度 郵送受付:1〜2週間程度 |
受付方法 | 窓口受付・郵送受付 |
3.パスパート
パスポートを提出する目的は、「チュニジアの運転免許を取得後、チュニジアでの滞在期間が通算3ヶ月以上であること」を確認するため。もちろん身分証としてもコピーを取られますが、経歴を証明するという意味では重要な存在です。
運転免許証と同様、私の場合はこのパスポートのコピーも担当の方がササッと取ってくれました。が、ネットで情報収集していると「空欄以外の全ページのコピーを用意しましょう!」と記載している記事なども散見されましたので、時間短縮したい方は、事前にコピーしていくと安心(気持ち的に楽)です。コピーを用意する場合は白黒で大丈夫です。
4.本籍(国籍)が記載された住民票の写し・在留カード
外国免許の切替手続きをする場所は「住所地の管轄する都道府県警察の運転免許試験場」と決められています。そのため、必然と住民登録をして住民票に記載されている状態でないと外国免許の切替ができません。
また、チュニジア人の場合は帰化していない限り本籍はないため、代わりに国籍が記載されている住民票の写しを用意しましょう!
・「写し」=「コピー」ではないので、市役所から住民票の写しを取得してください。
ちなみに、在留カードは明確になければならないと記載されていないので念のため持って行きましたが、チュニジアの運転免許証と並べてコピーを取られていたのであった方が良いと思います。基本的には、住民票を提出できる時点で在留カードは取得済みということが分かるので不要かと思いますが、実際に確認のために使用されていたので、身分を証明できる資料の1つとして持参しておきましょう。
5.顔写真1枚
外国免許の切替には顔写真が1枚必要です。この写真は日本の免許交付時に使われるのではなく、あくまでも手続きの段階で使われるもの。コンビニ横や駅中で手軽に撮れるスピード証明写真でOKです!
・無帽、正面、上三等分、無背景
・6ヶ月以内に撮影したもの
きっと役立つ豆知識
2018年8月2日の法改正により、イスラム教徒の女性が髪を覆う「ヒジャブ」の使用も顔の輪郭が分かれば認められるようになっています(医療用の理由でも認められるそうです)。
外国免許の切替に必要な手数料などの情報をまとめました。この情報は警視庁の公式HPに記載されている内容です。
受付日 | 平日のみ |
受付時間 | 午前8時〜午後3時まで |
手数料 | <申請料> 普通:2550円 原付:1500円 大型・中型・準中型:4100円 その他:2600円 <交付手数料> 2025円 <併記手数料> 200円 |
今持っている免許証の発行国によっては、試験が免除されるという仕組みがあるのですが、残念ながらチュニジアは対象外!ですので大人しく試験を受けましょう。
参考までに試験免除国を記載しておきます。もしも記載されている国の免許を持っていいて、なおかつ運転経歴の条件を満たす場合は、チュニジアの運転免許ではなくその国の運転免許を使用して試験なしで外国免許の切替をより簡単に行うことも可能ですよ!
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(バージニア州、ハワイ州、メリーランド州及びワシントン州に限る)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェ-デン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェ-、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾
引用元:警視庁HP
実際の試験の流れを知っておくと安心ですよね!お仕事の休みをあらかじめ取ってく必要がある方は、どれくらい時間がかかるのかが一番気になるポイントだと思います。そこで、フィラスが実際に受けに行った時のことを聞き出して試験の流れをまとめてみました。
外国免許切替の試験時間
警視庁の公式HPには親切に「混雑状況により、待ち時間が半日程度に及んだり、その日の手続きが途中で終了する場合があります。」と記載があります。実際にフィラスが受けに行った時の状況を聞いたところ、朝一に受付に行き、書類のチェックや視力検査などをしてるうちにお昼ぐらいになり、午後から学科試験を受ける事ができたようです。
技能試験は当日受けることができず、基本的には予約して後日改めて受けに行きます。この実技試験の予約が最大の難関で、フィラスの場合は最短で取れた予約が1ヶ月先でした。
どうしてそんなに混んでいるのかと聞いたところ、外国人は高い授業料を払って教習所に通う人が少なく、何度も不合格になり予約を繰り返すことから予約が常に満杯状態なんだそう。準備が大好きな私からすると驚きでしたが、10回以内で受かれば教習所に通うより確実に安く済むのでまあ・・・当然の現象ですねw
結論としては、最短でも2日間(別日)開けておくと安心です!
外国免許切替の学科試験(知識確認)
学科試験は10問中7問正解で合格となります。パソコンで行われ、選択式です。言語も英語・アラビア語・フランス語と、チュニジア人が難なく受けることができる言語でのテストが用意されているので、日本語が分からなくても問題ありません。
試験を受ける時だけは問題ないですが、日本語が分からない方が受付する場合は、通訳ができる人の付き添いを求められるそうなのでご注意ください。
日本人が日本語で免許の試験を受ける場合、日本語独特の引っ掛け問題のように感じたと思いますが、外国語に訳された学科試験はそのような心配はないようです。案外、学科試験は日本人が受けるよりも簡単なのかもしれません。
外国免許切替の実技試験(技能確認)
最初に免許センターで予約を済ませてから1ヶ月、改めて実技試験を受けに行きます。結論から言うと、フィラスの一発合格への挑戦は失敗に終わりました。
日本人であれば空気を読むという特殊能力を駆使したり、説明をしっかり聞いて受けに行けば難なくこなせることも、外国人となれば思わぬ問題に直面するもの。何度も受けに行く外国人が多いのは、日本人特有の細かさやハンドルの違いで悪戦苦闘したからだろな・・・と感じました。
学科試験を受けに行った日に、以下のような紙が配られます。
実際の実技試験では、A〜Eのいずれかのルートを回って試験を行います。あらかじめ渡されるということは「練習しておけ!」ということだと思うのですが、フィラスはもちろんノー練ですw
外国人でも読めるように英語で書かれた注意点なども記載されています。
さてさて、この記事にたどり着かれたということは、実際の試験でどんなことにつまずいたのかが知りたいということですよね!そこで、フィラスのつまずきポイントと当日まで分からなかったビックリポイントをまとめてみました。
- 右ハンドルの感覚に慣れていない
- 試験官の声が小さすぎて聞き取れない
- 細やかさが理解できない
チュニジアでの運転は左ハンドル。だからこそ日本の右ハンドル文化になれるのには時間がかかります。ウィンカーを出したいのにワイパーが動き出したり、マニュアルのギアの入れる向きが違ったりかなりテンパったそうです。
日本人同士でもよくあることですが、試験官がおじいさんで声が小さいとあまり聞き取れない時がありますよね。日本語が上手に話せるフィラスでさえビックリするほど聞き取りづらく篭った話し方をする試験官も存在するようです。こればかりは慣れが必要ですね。
「そこまでやるのか!」という声がけや動作は初体験でマスターするのは難易度が高いようです。事前にYoutubeなどで動画を見ておいたり、免許センターで単発の教習を受けたりして準備しておいた方が安心かもしれません。
パスポートとチュニジアの免許証のスペルが異なる
チュニジアの免許証やIDカードはアラビア語で記載されていますが、原本や翻訳資料それぞれのスペルが一致していないと受け付けて貰えないことがあるそうです。日本ではパスポートと身分証明書に違いがあるとパスポートを作れないようにチェックされますが、海外だとその基準が満たされなくても通ってしまったり、翻訳時に上手く行かないこともあるようです。
日本にいながらチュニジアの免許証の記載事項変更は手間と時間がかかるため、チュニジア現地の管轄施設で行うのが早いようです。もしすぐに帰国する予定がない場合は家族に頼んで変更することもできるそうなので、ぜひご家族に相談してみてください。
申請用紙への書き込みができないなら通訳が必要
英語で書かれている用紙は準備されているものの、実際に各部分は日本語で書くようになっているようです。ちょっと話すことができる程度の日本語スキルでは、日本語特有の難しい言い回しが分からず何度も受付に聞いたりして、予想以上に時間がかかる外国人が多いそうです。
もし日本語堪能な頼れるパートナーがいるのであれば助っ人として付き添ってあげることをお勧めします。免許センターには英語で会話できるスタッフはいますが、アラビア語やフランス語が話せるスタップはほぼいません。英語でも手続きに必要な会話だけ大丈夫といった感じだったので、スキルに合わせて準備するようにしましょう。
外国免許の切り替えは、手続き自体はとてもシンプルです。流れさえ分かっていればひとまず安心して受験することができると思います。日本の免許にスムーズに切り替えて、日本での運転ライフをエンジョイできるといいですね!
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